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解散のお知らせ

2022年12月をもって、しあわせ学級崩壊は解散します。
突然のお知らせとなってしまってすみません。


しあわせ学級崩壊を応援してくださったすべての方に、心より感謝申し上げます。
一度でも公演を観てくださった方、遠方から音源など買ってくださった方、公演中止となった際にご支援くださった方、出演者やスタッフとしてお力を貸してくださった方、私たちと共に時間を重ねてくださったすべての方に、厚く御礼申し上げます。

そして、私たちの未来に大きな期待を寄せてくださっていた方。
ご期待に沿うことができず、不甲斐なく、申し訳なく思います。
しあわせ学級崩壊は、将来有望な団体だ、これからどうなるのか楽しみだとお声をいただくことが多い劇団でした。
ですが、私たちのたどり着けるところは、ここまでとなりました。


解散の理由は、「僻みひなたが演劇を辞めるため」です。
身勝手な理由で本当にすみません。


解散までの活動としましては、現在上演中のリーディング短編集#2に加え、11月20日に文学フリマにてCD出展、12月11日に解散公演(内容未定ですが、新作ではありません)を予定しております。
以降、しあわせ学級崩壊として作品を発表することはありません。

また、もし12月11日以前にイベントなどの出演のご依頼がありましたら、是非お気軽にお申し付けいただければと思います。
なお、WEBストアは解散後もアクセスいただけますので、音源などは引き続きお楽しみいただけます。

もし解散前にしあわせ学級崩壊の演劇を目に焼き付けておきたいという方がいらっしゃいましたら、是非現在上演中の公演に足をお運びいただければと思います。
そして、小劇場のすみっこでよくわからないけどなんだかめずらしい演劇をやっていた団体がいたことを、たまに思い出していただけるとうれしいです。

8年のあいだ、本当にありがとうございました。
最後まで、どうかよろしくお願いいたします。

(以上、しあわせ学級崩壊の主宰としてのご挨拶になります。ここからは、もう少し個人的な経緯をお話しさせてください。ただのお気持ち表明なので読まなくても大丈夫です)

10年という、決して短くはない時間、それも二十代の大半を費やしてしまった演劇という営みを、それでも終わらせるというのは、なかなかに勇気の要ることでした。
自分には何も残らなくなってしまうからです。
かといって、自分が演劇で何かを残せたかどうかと言われるとあまりピンとこないので、この10年は本当に空っぽだったんだなあ、と今になって気付きました。

ここ一、二年ほどはずっと「やめたい、やめたい」と弱音を吐いていました。
それでも、やめてしまったあとの空っぽが不安で仕方がないので、決断ができないまま無為に時間を過ごしました。
いまはでも、案外すっきりとした気分で、やめたあとのことは何も考えられていないけど、これからはもっと前向きな人生を歩めたらいいな、と漠然と思っています。
長いこと演劇に束縛されて生きてきたので、もう少し気楽に、肩の力をぬいて生きられたらいいなと思います。

演劇に人生を救われました。
人生のなかでいちばん辛い時間、死んでしまうことしか考えられなかった数年間を、創作をよりどころとすることでなんとか生き繋いできました。
誰のためでもなく、自分が生きていくために、演劇をつくりました。
演劇をやっていて楽しいと思うことはあまりなくて、なんでやってんだろうなと思いつつも自分の生きる道をそれ以外に知らなかったので、ひたすらに演劇をつくりました。

いつからか、演劇がなくてもそれなりに前向きに生きていけるようになりました。
だんだんと演劇を負担に感じるようになり、なんのためにがんばってるんだろう、と思うことが増えてきました。
生きるために必要だった演劇が、人生の重荷になっている。
その考えを振り払うように、劇団を停滞させないようにと励みました。
劇団が成長している、演劇が自分の人生を前に進めてくれていると感じるうちは、重荷に感じなくて済むので、気が楽でした。

特にこの二年半は、劇団を維持することがだんだんと難しくなってきました。
やることなすことすべてが空回っているような気がして、現状をどう打破すればよいのかわからず、雲をつかむような毎日でした。
自分たちが進んでいる道が正しいのか間違っているのか、誰もわからないまま、ただ数字としてうまくはいっていない、という事実だけがはっきりとしていました。

孤独であるということがこんなにも辛いとは思っていませんでした。
お互い苦しいけど頑張っていこうな、と言いあえる仲間が近くにいれば、もう少し楽だったかもしれません。
周りの劇団の活躍を遠巻きに眺め、どうしてうちだけがこんなにうまくいかないんだ、自分たちのやっていることはどこがどう間違っているのだろうか、と誰かに教えてほしくてたまりませんでした。

がんばらなくちゃという気持ちはありましたが、何をどうがんばればいいのか、自分には分かりませんでした。
ただひたすらに無力で、すり減っていくだけの二年半に耐えるだけのエネルギーが自分にはありませんでした。
酷い世の中ではありますが、それを乗り越えるだけの力を持っていなかった自分がふるい落とされたという、ただそれだけのことなのだと思います。

なので、ここらが自分の限界です。
すみません。
でも、もう疲れてしまったので、自分のために演劇をやめます。
続ける理由がひとつも見つからなくなりました。

解散だというのに、僕ひとりのお気持ち表明になってしまってすみません。
でも事実として、僕ひとりのお気持ちのために解散することになってしまったので、何も悪くない劇団員の人たちにコメントを出させるのは違うんじゃないかと思ったので、こういった形とさせていただきます。

最後にもう一度、支えてくださったすべての方々に、心から御礼申し上げます。
もう少しだけ続くので、何卒お付き合いいただければと思います。
当然のことですが、残っている活動はすべて全力でやり切ります。

しあわせ学級崩壊でしか観ることのできないものをやってきた自信はあるので、二度と観られなくなるまではこの面白さを全力で世に広めたいです。
この演劇が世に知られないまま終わるのはやっぱり悔しいと思ってはいるので、最後まであがきます。


演劇に出会えてよかったです。
ありがとうございました。


僻みひなた

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